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バケツ稲栽培日記

バケツ稲とは?

お米や農業をもっと身近に感じて理解してもらうためにJAグループが考えた稲の栽培方法で、平成元年から取組んでいます。現在バケツ稲を育てている仲間は全国で約50万人います。

 やってみよう!バケツ稲づくり

コシヒカリ、ニホンバレの栽培に挑戦中

JA和歌山中央会では、6月からコシヒカリと日本晴と言う二つの品種でバケツ稲づくりに挑戦しています。現在JAビル屋上の4つのバケツですくすくと成長しています。これから、秋の収穫に向けて栽培日記を公開していきます。小学生に負けないように頑張ります!

6月9日 種まき

種もみをまいているの図
種もみから芽と根が出ています。

バケツに培養土を入れ、水を満たしました。そこに芽だしをした種もみ(種もみを水に浸し芽を出させたもの)をまきました。指で土の中に軽く押し込みました。よく見るともみから芽と根が出ているのがわかります。

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6月22日 苗の移し替え

こんなに伸びてきました。屋上で頑張っています。
昼間に作業を行いました。バケツの水がぬるま湯状態です(心配)。

種まきから約2週間でここまで大きく成長しました、稲の丈は20cm以上です。写真の左が「コシヒカリ」右が「日本晴」です。

この中から成長のよい苗を2~3本選び、一まとまりにして植えなおしました。コシヒカリは4~5本を一まとめにします。少し田んぼらしくなってきた!?

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7月5日 すくすく成長中+屋上からの景色

左の2つがコシヒカリ、右の2つが日

苗の移し替えから2週間が経ちました。移し替えたときはひとつひとつの苗が細く、根も張っていなかったので、風に吹かれると倒れてしまいそうな、頼りない印象でしたが、ここまでしっかりとした様子に成長しました。本当に田んぼらしくなってきました。

左の2つのバケツが「コシヒカリ」、右の2つが「日本晴」です。

コシヒカリ
日本晴

稲の丈は40cmほど、茎の一本一本がしっかりとした印象で、しっかりと根を張っているのか、力強くまっすぐに伸びています。

コシヒカリの稲は倒れやすいということなので、これから支柱を立ててやる必要があるかもしれません。毎日屋上に観察に行くのが楽しみになってきました。

ビルの合間から見える和歌山城

さて、バケツ稲を栽培している和歌山県のJAビル屋上から見える景色をご紹介します。

JAビルはJR和歌山駅西口の目の前にあります。6階立てのJAビルの屋上からは和歌山城をちらりと見ることができます。まさか、こんな場所で稲を栽培しているとは誰も思わないですね。

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7月23日 中ぼしを始める!!

左の2つがコシヒカリ、右の2つが日

6月9日に種を播いてから、これまで順調に成長してくれました。この時点で稲の茎数は20本、草丈は70cmほどになっています。ここまで成長すると「中ぼし」という作業を行います。「中ぼし」とは、水やりを止めて一度土を乾燥させる作業のことです。

中ぼしをすることで、土は酸素を多く取り込み、同時に土の中に溜まったガスを放出します、また乾燥することで根は水を求めてよく伸び、丈夫な稲が育つのだそうです。

毎日の水やりが日課になりつつあったのですが、愛情過多も良くないということでしょうか?後ろ髪を引かれつつ中ぼしに挑戦です。

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7月26日 中ぼし3日目(乾かしすぎたのか!?)

左の2つがコシヒカリ、右の2つが日
コシヒカリ

金曜日にバケツの水を捨て、中ぼしを開始しました。そして月曜日、屋上に行ってみると、バケツの土はよく乾燥しており、ところどころひび割れも出来ています。たしかに酸素が土の中にたくさん入りそうです。ところが、枯れている葉が目立つのです。稲は元気に丈夫に育つどころか、なにやら元気の無い様子に見えます。

調べてみると、乾燥させ過ぎるとこういう症状が出るようです。中ぼしを行った3日間は平均気温が30度近くありましたので、乾燥しすぎたのかもしれません。ということで水をやり、中ぼし終了です。

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8月3日 おおむね順調

左の2つがコシヒカリ、右の2つが日

中ぼし後はバケツに水を5cm程度入れ、なくなったら足します。この繰り返しです。中ぼしの直後は全体的に元気のない様子でしたが、現在は枯れている葉も見られますがおおむね順調に成長しています。

気がかりは、そろそろ穂が出てきてもいいころだと思うのですが、我がバケツ稲では全くその気配がないことです。周辺の水田では穂が出ている様子が見られるのですが、、、。

種を播くのが遅かったことが原因かと考えています。穂が出てくるのが待ち遠しいです。

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9月2日 葉が枯れている、しかし・・・

左の2つがコシヒカリ、右の2つが日本晴
コシヒカリの穂が垂れています

ご覧のように、所々に枯れている葉があります。特にコシヒカリに枯葉が多いようです。緑色の元気の良い葉の間にメッシュ状に茶色の葉があるのでとても目立ち心配です。今年の夏は異常に暑かったのでそれが原因か、あるいはJAビルの屋上は風が強く吹き抜けるので、風で葉が擦れたのが原因ではないかと思います。

職場の米作りに精通した上司にアドバイスを求めたところ、病気や害虫が原因ではなさそうだとの事、心配は残りますがこのまま様子を見ようと思います。

離れて見ると枯れ葉が目立ち、頼りない様子ですが、近づいて見ると実は穂がしっかりと出ています。穂がなかなか出てこず心配していたのですが、やっと出てくれました。コシヒカリの穂は少し頭を垂れかかっています、日本晴はまだまっすぐ伸びた状態です。同じ稲でもここまで成長すると品種によって特徴の違いがはっきりと目に見えてきます。

穂が出たということはお米の収穫まで後少しです。スズメなどに襲われないことを願いながら収穫を楽しみに待ちます。

稲の花
左の2つがコシヒカリ、右の2つが日

稲の花のはなし

穂が出た後、穂の一つ一つから小さな白い花が咲きます。残念ながら、出張で留守にしていたため花を撮影することが出来ませんでした。稲の花が見られるのは数時間程度だそうで、観察するのはなかなか大変そうです。わがバケツ稲のものではありませんが、参考に写真を掲載します。

ちなみに、稲の花は甘い香りがするそうです。

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9月21日 実が熟してきた様子

見事に頭を垂れる日本晴

ご覧下さい!穂が垂れて、黄色くなってきています。実が熟してきた証拠です。稲刈りまであと一歩。今日から刈り取りに向けて落水(水やりをやめること)します。

葉が枯れてきたり、穂がなかなか出てこなかったりと思い通りにはいきませんでしたが、やっと収穫がみえてきました。自然が相手のことですから、「マニュアルどおり」に進むことはありえません。

古くから「米を作るのには八十八の手間が掛かる(米という漢字を分解して八十八)」と言われます。バケツ稲づくりに挑戦してみて、そのほんの一部ではありますが体感できたと思います。

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9月下旬~10月上旬 落水したはいいが・・・。

刈り取りに向けて落水したのはよいのですが、9月の終わりから10月初めにかけて和歌山市では雨の日が続きました。落水したもののバケツには雨水がいっぱい溜まってしまいました。やはり自然が相手のこと、思ったとおりにことは進みません。

 

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10月8日 ついに稲刈りです。

快晴です

今日は朝から快晴でした。和歌山市のど真ん中、JAビルの屋上で育てたバケツ稲を収穫します。稲の根元をつかみハサミでザクザクと刈り取っていきます。刈り取り作業はあっという間に終わりました。

はさみで簡単に刈り取れました

日本晴はよく実っています、日本晴に比べてコシヒカリのほうは実のつきが悪く、実がやせているように感じます。(その模様は脱穀したあとで報告します。)

稲刈り終了

刈り取った稲は10日ほど風とおしのよい場所で乾燥させた後、脱穀、もみすり、精米という作業へ進みます。どれくらいの量が収穫できたか脱穀が楽しみです。

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11月5日 脱穀(だっこく)と籾摺(もみすり)

カラカラに乾燥した稲

~乾燥から脱穀(だっこく)~
 刈り取ったバケツ稲を中央会職員のロッカー部屋で乾燥させました。乾燥させるといっても、“南向きの窓際にダンボール箱に入れて放置した”というのが本当のところです。本来は、稲穂を下向きにして吊るし、風通しの良い場所で乾かすそうですが、職場では適当な場所もなく、心苦しく思いながら、窓際でひっそりと乾いていただくことにしました。

割り箸式脱穀

さて、稲刈りから約1か月が経過しました。乾燥には十分すぎる時間が経ってしまいました。それでは脱穀をはじめます。脱穀とは収穫した穀物を茎から外すことを意味します。今回は新聞と割り箸を使ってバケツ稲の脱穀を行いました。

素手式脱穀

稲を1~2本ずつ手に取り、それを実の手前(根元)の方から割り箸で挟みこんで先へスライドさせていきます。そうすると実がプチプチと外れていくというわけです。
 最初は上品に割り箸で挟む方式で脱穀していたのですが、最終的には割り箸を使わず素手でブチブチと脱穀しました。このとき軍手があればすべりも良く、もっと簡単に脱穀できたかもしれないと後から思いました。

籾米(もみごめ)

茎から実を取り外す脱穀が終わりました。脱穀の済んだ稲の実を籾米(もみごめ)といいます。籾米は私たちが良く見るお米(正確には玄米)の周りに薄皮(籾殻)がついている状態のことで、この籾殻にはお米を外部の環境の変化から守る意味があります。種子として使用する場合のお米はこの籾米の状態です。

すり鉢で籾摺(もみすり)
ざるの中の玄米

籾米から籾殻を取り除く作業が籾摺りです。さて、どう取り除くかというと、すり鉢で軟式野球ボールやすりこ木を使い、すり鉢の中でこすり合わせることで籾殻を取り除いていきます。すり鉢のなかでゴリゴリと擦っていると少しずつ玄米から籾殻がとれて、すり鉢の中で別れていきます、すり鉢の中は玄米と籾殻が混ざり合った状態です。これをざるで振るったり、ざるの下から息を吹きかけたりして軽い籾殻だけを吹き飛ばしていきます。そうすると玄米だけがざるの中に残るというわけです。粒の小さいものや割れているもの、緑色の未熟なものも混ざり合っています。

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12月5日 

バケツ稲玄米ご飯

~玄米ご飯を炊いてみる~
 籾摺りが終わり、成果を計量してみると、コシヒカリと日本晴を合わせて約1合でした。予想していたよりかなり少ない量です。さてこれを精米(玄米からぬかを取り除き白米にすること)すると、いったいどれだけ残るのか、精米するにも量が少なすぎる。ということで、バケツ稲玄米と市販の白米を同量ずつブレンドして炊飯し、玄米ごはんとして味わうことにしました。

~精米方法~
 玄米からぬかを取り除き白米(スーパーなどで売られているすぐに炊けるお米の状態)にする工程のことを精米といいます。玄米を購入し、コイン精米機などを利用して自身で精米する方も最近は多いようです。家庭にあるもので精米する方法は、「玄米をビンに入れ、棒でつき。ふるいを使ってぬかと白米をわける。」というのが良いようです(バケツ稲作りマニュアルより)。

 

~バケツ稲玄米ごはんを味わう~
 バケツ稲玄米は見るからに堅そうなので、一晩水に浸し十分吸水させてから白米とブレンドして鍋で炊飯しました。(バケツ稲玄米と白米のブレンド2合に対して、水400cc)  炊き上がりはこんな感じです。においは良く言えば香ばしい、悪く言えばぬか臭いような感じで、白米のそれとは明らかにちがいます。
 見た目も香りも健康にはとても良さそうですが、はっきり言って美味しそうではありません。おそるおそる口に運ぶと、「んん、まぁこんなもんでしょう。」といった感じです。
 玄米のもちもちとした歯ごたえが心地よく、食感はグッドでしたが、風味はやはりぬか臭く、取り除けなかった籾がのどに引っかかって食欲を減退させました。
 何とか最後まで食べきりましたが、バケツ稲は食用には向かないことが分かりました。普段私たちが食べている美味しいお米は農家の技術と苦労の結集だということがはっきりしました。全国でバケツ稲作りに挑戦している小学生たちが、普段何気なく食べているお米にも様々な物語があるということをバケツ稲作りを通して感じてもらうことが出来たならば幸いに思います。

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■バケツ稲づくり年間スケジュール

  4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月
一般的な水田 種まき 田植え   中ぼし&水管理
穂が出る・花が咲く
稲刈り    
わがバケツ稲     6/9
種まき
田植え
7/23~26
中ぼし
  9/2
穂を確認
10/8
稲刈り
11/5
脱穀・籾摺り

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